消費者金融と銀行は似ているようで法律自体が異なる完全な別物
お金を借りる場面で選択肢となる消費者金融と銀行。どちらも個人向けの融資サービスを提供していますが、実は法律上の位置づけから運営形態まで、さまざまな面で異なっています。この違いを知っておくと、自分に合った借入先を選ぶ際の判断材料になるでしょう。
根拠となる法律が違う
消費者金融と銀行では、そもそも事業の根拠となる法律が異なります。消費者金融は「貸金業法」という法律に基づいて営業しており、貸金業者として登録が必要です。一方、銀行は「銀行法」に基づいて運営されており、免許制となっています。
この法律の違いが、後述する総量規制の適用範囲など、さまざまな制度上の差を生み出しているんですね。少し古い資料ですが、名城大学の貸金業と銀行業の資料が参考になります。
総量規制の有無が最大の相違点
消費者金融と銀行の制度上の違いで最も大きいのが、総量規制の適用です。総量規制とは、年収の3分の1を超える貸付を原則禁止する仕組みのこと。貸金業法に基づく消費者金融にはこの規制が適用されますが、銀行法に基づく銀行カードローンには法律上の総量規制がありません。
| 項目 | 消費者金融 | 銀行カードローン |
|---|---|---|
| 根拠法 | 貸金業法 | 銀行法 |
| 総量規制 | 適用あり(年収の1/3まで) | 法律上の適用なし |
| 収入証明書 | 50万円超で原則必要 | 各行が独自に設定 |
| 即日融資 | 可能 | 不可(反社チェック等のため) |
ただし、銀行も2017年以降は自主規制により、総量規制に準じた運用を行うようになりました。法律で縛られているわけではありませんが、過剰融資を防ぐ取り組みを各行が実施しています。
審査の仕組みと時間の違い
審査に関しても両者には違いがあります。消費者金融は自社で審査を完結できるため、最短で即日融資も可能です。一方、銀行カードローンは2018年から警察庁のデータベースを使った反社会的勢力のチェックが義務化されたため、消費者金融よりも審査には時間がかかることが多くなります。
この背景には、銀行が過去に反社会的勢力への融資問題を指摘されたことがあり、金融庁の指導により審査体制を強化した経緯があるんです。
金利設定と上限の考え方
金利面でも制度上の枠組みに違いが見られます。ただし、どちらも利息制限法という法律の範囲内で金利を設定しなければなりません。
利息制限法による上限は共通
消費者金融でも銀行でも、金利の上限は利息制限法で定められています。借入額に応じて以下のような上限が設定されているため、これを超える金利を設定することはできません。
- 10万円未満:年20.0%
- 10万円以上100万円未満:年18.0%
- 100万円以上:年15.0%
実際の設定金利を見ると、消費者金融は上限に近い年18.0%前後が多く、銀行カードローンは年14.0~15.0%前後に設定している傾向があります。これは資金調達コストや審査基準の違いなどが影響していると考えられるでしょう。
無利息サービスの提供
消費者金融の中には、初回利用者向けに30日間の無利息期間を設けているところがあります。これは銀行カードローンではあまり見られないサービスです。短期間で返済できる見込みがある場合、こうしたサービスを活用すると利息負担を抑えられます。
例えばアイフルは最短18分で借りられる消費者金融ならではの早さがあり、しかも契約翌日から最大30日間は無利息です。こういったサービスは銀行ではあまり見られません。申込当日中にも借りることができるので、すぐに借りたい人にもアイフルの即日融資は大変便利です。
保証会社の役割と仕組み
銀行カードローンを利用する際、実は消費者金融や信販会社が関わっていることがあります。これが保証会社という仕組みです。
銀行は保証会社を利用する
銀行カードローンの多くは、保証会社との契約が必須になっています。保証会社は利用者が返済できなくなった場合に銀行へ代位弁済を行い、その後は保証会社が利用者から回収する形です。この保証会社には、大手消費者金融や信販会社が名を連ねていることが多いんですね。
一方、消費者金融は自社で審査から回収まで一貫して行うため、基本的に保証会社は不要。ここも大きな構造の違いといえます。
審査基準への影響
保証会社の存在は審査基準にも影響します。銀行カードローンの審査では、銀行自体の基準に加えて保証会社の基準も満たす必要があるため、実質的に二重の審査となっているわけです。結果として、消費者金融と比べると審査通過のハードルがやや高くなる傾向があります。
規制当局と監督体制の違い
最後に、両者を監督する機関についても触れておきましょう。
監督官庁の違い
消費者金融は財務局または都道府県が監督しており、金融庁の管轄下にあります。登録番号を持ち、3年ごとに更新が必要です。一方、銀行は金融庁が直接監督する免許制で、より厳格な規制を受けています。
この監督体制の違いは、事業の透明性や健全性の確保方法にも表れているといえるでしょう。
情報開示の義務
貸金業法では、消費者金融に対して貸付条件や返済例の明示など、細かな情報開示義務が定められています。契約前の書面交付や、年18.0%を超える金利の場合の特別な表示など、利用者保護のための規定が多数存在しているんです。
銀行も金融商品取引法などに基づいた開示義務がありますが、貸金業法とは異なる枠組みで規制されています。ただし近年は、銀行カードローンについても貸金業法に準じた情報開示を行う動きが広がっているのが現状です。