無理せず貯金を増やす毎月の仕組みづくり

貯金を増やしたいと思いながら、月末になるといつも残高が心もとない。そんな経験はないでしょうか。実は「余ったら貯める」という発想こそが、貯金を失敗させる最大の原因なんです。

先取り貯金で仕組みを整える

収入が入ったら、まず貯金分を別の口座に移してしまう。残った金額で生活費をやりくりする。この「先取り貯金」が、無理なく続けられる鉄則です。給料日に手動でATMへ行くのは面倒だし、つい後回しになってしまいますよね。

そこで活用したいのが、銀行の自動積立サービスです。一度設定すれば、給料日後に自動で貯金用口座へ振り替えてくれます。財形貯蓄制度がある職場なら、給料天引きで強制的に貯まるのでさらに確実でしょう。

手取り月収 目安の先取り額(10%) 年間貯蓄額
20万円 2万円 24万円
25万円 2万5千円 30万円
30万円 3万円 36万円

最初は手取りの10%程度から始めてみましょう。慣れてきたら15%、20%と少しずつ割合を上げていくと、無理なく貯金額を増やせます。

ネット銀行の定額自動入金が便利

給料振込口座から貯金用口座へ、毎月自動で資金を移してくれるサービスを「定額自動入金」と呼びます。住信SBIネット銀行やソニー銀行、auじぶん銀行などが提供しており、手数料無料で利用できるケースがほとんどです。

設定は一度きり。振替日と金額を指定すれば、あとは放っておいても勝手に貯まっていきます。ATMに並ぶ必要もなく、うっかり忘れることもありません。

支出の管理も自動化してストレスを減らす

節約や家計簿が苦手な人ほど、キャッシュレス決済を活用してみてください。現金だと何にいくら使ったのか記録に残りませんが、クレジットカードや電子マネーなら明細が自動で残ります。

固定費をまとめて支払い日を統一

公共料金やサブスクリプション、保険料などの固定費は、できるだけ1枚のクレジットカードに集約しましょう。引き落とし日が統一されるので、口座残高の管理がグッと楽になります。ポイントも効率よく貯まるため、一石二鳥です。

貯蓄分の引き落としも、固定費と同じ日付に設定しておくとスムーズですよ。たとえば給料日が25日で、カード引き落としが27日なら、自動積立も27日に設定する。月末に残ったお金が、翌月の生活費として使える金額だと明確になります。

変動費は電子マネーで予算管理

食費や日用品といった変動費は、あらかじめ予算を決めて電子マネーにチャージしておくと使いすぎを防げます。チャージした金額以上は使えないので、自然と節約意識が高まるんです。

  • 月初に予算分をチャージする
  • 残高を確認しながら買い物する
  • 月末までに使い切らなかった分は翌月へ繰り越すか、臨時貯金に回す

電子マネーの種類が多すぎると管理が煩雑になるので、よく行くお店で使えるものに絞るといいでしょう。

投資の自動積立も検討してみる

ある程度の生活防衛費が貯まったら、投資を始めるのも一つの選択肢です。ただし、いきなり大金を投じるのはリスクが高いので、少額からコツコツ積み立てる方法がおすすめです。

つみたてNISAやiDeCoを活用

税制優遇が受けられる制度を使えば、効率よく資産を増やせます。つみたてNISAは年間40万円まで非課税で運用でき、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象になります。どちらも毎月自動で積み立てられるので、貯金と同じ感覚で続けやすいんです。

投資信託を選べば、プロが分散投資してくれるため個別株よりリスクを抑えられます。ドルコスト平均法という手法で、購入価格を平準化できる点も初心者向きでしょう。

制度 年間上限額 主なメリット
つみたてNISA 40万円 運用益が非課税(最長20年)
iDeCo 14.4万円~81.6万円 掛金が全額所得控除、運用益も非課税

投資は余裕資金で行うのが鉄則です。生活費や緊急時の備えを確保してから、無理のない範囲で始めましょう。

仕組み化すれば意志の力に頼らない

貯金も支出管理も投資も、すべて自動化してしまえば意志の力に頼る必要がありません。「今月は頑張ろう」と気合を入れるより、最初に仕組みを作ってしまう方がずっと楽で確実なんです。

最初の設定だけ頑張ればあとは放置

銀行の自動サービスやクレジットカードの設定は、最初の1回だけ手間がかかります。でも、一度セットアップすれば毎月自動で回り続けます。月末になって「今月も使いすぎた」と後悔するより、仕組みを整えて穏やかに過ごす方がストレスフリーでしょう。

  • 給料日後に自動で先取り貯金
  • 固定費は1枚のカードでまとめて引き落とし
  • 変動費は電子マネーで予算管理
  • 余裕があれば投資も自動積立

こうした仕組みを組み合わせれば、自然とお金が貯まる流れができあがります。節約を意識しすぎて窮屈になるより、無理なく続けられる方法を選んだ方が長続きしますよ。

小さく始めて徐々に拡大する

最初から完璧を目指す必要はありません。まずは月5千円の先取り貯金から始めて、3か月続いたら1万円に増やす。そんなふうに少しずつステップアップしていけば、いつの間にか大きな金額を貯められるようになります。

大切なのは、無理なく続けられる仕組みを作ること。自分の生活スタイルに合わせて、できるところから取り入れてみてください。毎月の積み重ねが、数年後の大きな資産へとつながっていくはずです。

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